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Vibe CodingのReplit、Visaから戦略出資を受けAIエージェント向けペイメント基盤を統合
エージェント型ソフトウェア開発プラットフォームを提供するReplitは、世界最大級の決済ネットワークであるVisa Inc.からの戦略的投資の受け入れと、両社による「Visa Intelligent Commerce」機能のReplit開発環境への統合に関するパートナーシップを発表しました。投資額は非開示ですが、本提携は、ReplitをAIネイティブなソフトウェア開発とエージェンティック・コマース(AI agentic commerce、AIエージェントが自律的に商取引を行う世界)の交差点に明確に位置付ける、戦略的な布石となります。提携により、Replitプラットフォーム上の開発者は、トークナイゼーション、認証、ウォレット管理、決済命令といったVisaのコア決済プリミティブを、エージェント構築ワークフロー内からネイティブに利用できるようになります。これは新規プロダクトのローンチというよりは、Visaの既存決済インフラを「開発者の文脈に直接配信する」取り組みであり、アプリやAIエージェントが構築段階から決済機能を後付けではなく前提として備える設計を可能にします。
提携の中核として注目されているのが、Visaが推進する「Trusted Agent Protocol」レジストリの活用です。これはAIエージェントのための暗号学的アイデンティティレイヤーとして機能する仕組みで、実態は公開鍵配信システムに近く、各エージェントが自身のアイデンティティを登録し、署名検証用の鍵を公開します。マーチャント側やインフラ事業者はこの仕組みを通じて、リアルタイムでエージェントの身元と意図を検証でき、ユーザーの代理として動く「信頼できるエージェント」と、未知あるいは悪意のある自動化を区別できるようになります。エージェントが「Visa-trusted」と認められるためには、Visa側のオンボーディング、承認、認証プロセスを通過する必要があり、Replit上で構築されたエージェントが本レジストリにどう参加できるかについても両社が検討を進めています。また、両社はサービス間・エージェント間で発生する「低額・高頻度」のM2M(マシン・トゥ・マシン)決済フローについても初期的な実証を進めており、ユーザー同意、認証、支出コントロール、検証済みエージェントID、定義された取引ガードレール内での実行制御をセキュリティ設計の基本に据えています。チャージバックや紛争処理の枠組みは当面これまでのルールを継続適用するものの、エージェント駆動型決済モデルの成熟に伴い、これらのフレームワーク自体も今後アップデートされる可能性を両社は示唆しています。
VisaのSVP兼Head of Growth Products and PartnershipsであるRubail Birwadker氏は、「次世代のビルダーやスタートアップは、まさにReplitが築いているようなエコシステムの中から生まれてきています。Visaの今回の出資とパートナーシップは、カード決済がそうした体験の中に最初からネイティブかつ安全に組み込まれているべきだという両社共通の見方を反映しています」とコメントしています。注目すべき点は、Visa自身がReplitのユーザーである事実です。Visaの社内では1,000名以上の従業員がすでにReplitを利用しており、社内ツーリング、実験的アプリケーション、AIプロトタイピング、新コンセプトの迅速なイテレーションといった用途で活用されています。なお、Visa社内では決済データ・本番システムへの接続は厳格なガバナンス下で制限されており、Replitはあくまで「プロトタイピング・ツール」として位置付けられています。ReplitのCEOで創業者のAmjad Masad氏は、「ここ数か月、Replitのエンタープライズでの導入が大きく伸びており、Visaの参画は『誰もが安全かつ堅牢にコーディングできる世界を作る』という我々のミッションを後押しするものです」と述べています。
今回の発表に併せて、Replitは契約金額20万ドルまでの「セルフサーブ・エンタープライズ・アクセス」も発表しました。SAMLによるSSO、SCIMによるディレクトリ同期、ロールベースアクセス制御(RBAC)、監査ログ、SOC-2準拠、専任アカウントマネージャーといったエンタープライズグレードのコンプライアンスと統制を、営業担当のエンゲージメントなしに直接購入可能となります。同時に、Accenture、Slalom、Hexawareを創設パートナーとする「Replit Solution Partner Program」も立ち上げられ、既存のGoogle、Microsoft、Databricks、Stripeなどとのテクノロジー統合に、エンタープライズ向け導入・スケールを支援する「サービスレイヤー」が追加されました。これにより、Replitプラットフォームは個人開発者・スモールチームから始まり、Atlassian、Adobe、Databricks、Okta、Visaなど大手エンタープライズ、さらにフォーチュン500企業の85%にまで到達する一方で、構築されるアプリケーションやAIエージェントは、出力直後から「決済を含む実世界のオペレーション」と接続できる――そのような次世代のAI駆動型ソフトウェア開発スタックの中心ポジションを確立しつつあると言えます。
Replitについて
Replitは、2016年に米国カリフォルニア州San Franciscoで、Amjad Masad氏、Faris Masad氏、Haya Odeh氏の3名によって創業された、エージェント型ソフトウェア開発プラットフォームを提供するスタートアップで、本社はカリフォルニア州フォスターシティに置かれています。CEOのAmjad Masad氏は、Facebookのエンジニア、Codecademyの創業エンジニアを経て、ヨルダンで育った自身の原体験から「世界中の誰もがアイデアからソフトウェアを生み出せるようにする」というミッションを掲げて同社を立ち上げました。フラッグシップ製品「Replit Agent」は、ユーザーが自然言語でやりたいことを記述するだけで、コーディング・テスト・デプロイまでをエンドツーエンドで実行する自律型AIエージェントで、最新世代の「Agent 4」では設計・コード・デプロイを単一環境に統合し、コンセプトから稼働するソフトウェアまでをノーコードで実現します。iOS・Android向けのモバイル版も提供しており、スマートフォンからアプリのアイデアを伝えるだけで実動アプリを生成し、そのままアプリストアまで公開できます。同社はノンエンジニアでも扱える「Vibe Coding(自然言語でアイデアを伝えるだけでアプリが生成される開発スタイル)」のカテゴリリーダーとして知られ、Anthropicの「Claude Code」、Anysphere社の「Cursor」、欧州発の「Lovable」「Bolt」などと並ぶフロントランナーの一角を占めています。資金調達面では、2025年9月のSeries C(2.5億ドル、Prysm Capital主導、評価額30億ドル)、2026年3月のSeries D(4億ドル、Georgian Partners主導、評価額90億ドル)に続き、今回のVisaからの戦略出資(金額非開示)を獲得し、累計調達額は8.78億ドル超に到達しています。投資家にはAndreessen Horowitz、Coatue、Y Combinator、Craft Ventures、Prysm Capital、G Squared、Accenture Ventures、Databricks Ventures、Okta Ventures、Amex Ventures、Qatar Investment Authority、Visa、エンジェルとしてShaquille O'Neal氏やJared Leto氏など多彩な顔ぶれが並びます。全世界ユーザー数は5,000万人超、有料顧客15万社以上、フォーチュン500企業の85%が利用、2026年末までの年次経常収益(ARR)10億ドルを目標とし、現在は契約金額20万ドルまでのセルフサーブ・エンタープライズ・プログラムや、Accenture・Slalom・Hexawareを創設パートナーとするSolution Partner Programも組み合わせ、AI駆動型エンタープライズソフトウェア開発の標準プラットフォームとしての地位を急速に確立しています。
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