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2026/06/02

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AI駆動型臨床試験プラットフォームのParadigm Health、HER2 IHC 3+固形がんを対象としたT-DXd観察研究にSPIREを導入

AI基盤の臨床試験プラットフォームを提供する米国スタートアップParadigm Healthは、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)の免疫組織化学(IHC)スコアが3+の固形がん患者を対象としたFDA承認済み治療薬の多施設・ハイブリッド型・観察的市販後コミットメント試験を実行する役割を担うと発表しました。本試験はParadigm Healthの「SPIRE(Scalable Platform for Integrated Research and Evidence)」モデルを技術基盤として活用し、試験デザイン、サイト選定、患者特定、データ収集から効率的なエビデンス生成までエンドツーエンドの臨床試験オペレーションを加速します。Florida Cancer Specialists & Research Institute(FCS)の主任研究者は、2026年6月1日に開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で本試験のデザインと運営に関するポスターを発表しており、抄録(TPS11202)は「A pragmatic, hybrid observational study evaluating the effectiveness of trastuzumab deruxtecan (T-DXd) in patients with HER2 IHC 3+ solid tumors: DESTINY-PanTumor04」というタイトルで公開されています。研究著者にはParadigm Healthのほか、試験スポンサーであるAstraZenecaとDaiichi Sankyoの研究者が名を連ねます。

 

本試験は約100名の患者を米国国内最大30カ所のサイト(コミュニティ診療所から学術医療センターまで)で追跡するよう設計されており、すでに13のコミュニティ・オンコロジーセンターが参加しています。Paradigm HealthのSPIREモデルは、試験スポンサーがプラグマティックな試験を設計し、それを試験サイトに組み込んでデータ収集を自動化し、対象患者をより速く特定し、解析可能なデータを迅速にスポンサーへ伝送するためのエンドツーエンドのインフラを提供するものです。これらの労働集約的な工程を効率化することで、コミュニティ診療所、病院、学術医療センターを横断する研究者が同一の後期臨床試験に参加できる体制を可能にします。Paradigm HealthのファウンダーでCEOのKent Thoelke氏は、「本研究は、SPIREが幅広いヘルスケア現場で活用できることを示しています。すでに13のコミュニティ・オンコロジーセンターが本試験に参加しています。分散した臨床データベースやその他データソースを接続することで、研究スタッフのオペレーション負荷を下げつつ、試験スポンサーが必要とする網羅性と精度を維持できます。これにより、より多くのサイトで臨床研究の実施が現実的となり、最終的には研究の門戸がより多くの患者に開かれます」とコメントしています。

 

注目すべきは、SPIREの中核にあるデータ収集技術が、Paradigm Healthが進めている「リアルタイム臨床試験(Real-Time Clinical Trials)」に関する米国食品医薬品局(FDA)との実証研究の基盤にもなっているという点です。本観察研究は、患者中心のプラグマティックなトライアル要素を備えており、広範な適格性基準、ルーチンクリニカル現場での実施、一次・二次データソースの統合、プラグマティックなエンドポイント設計などが特徴です。SPIREによって試験デザイン、サイト選定、患者特定・エンロールメントが最適化されることで、データの精度と網羅性が高まり、より多くのサイトで臨床試験ワークフローを実施可能にします。Florida Cancer Specialists & Research InstituteのPresident兼Managing PhysicianであるLucio Gordan氏も、「観察研究や後期臨床試験は、医療の提供現場の中で動作するための技術インフラを必要とします。FCSの私たちのチームは、まさにこの技術的近代化の最前線にいます。Paradigm HealthのSPIREは、臨床ワークフローとリサーチオペレーションを整合させ、提供者やサイトスタッフの負担を増やさずに解析可能なデータの取得を加速することを目的に設計されています」と評価しています。今回の事例は、Paradigm Healthが、FDAとの直接連携、AstraZeneca・Daiichi Sankyoという大手スポンサーとのパイロット、FCSをはじめとするコミュニティオンコロジー網との緊密な統合を一つのプラットフォームで結びつけ、米国における後期臨床試験のオペレーションモデル自体を再定義しつつあることを象徴する取り組みと言えます。

 

Paradigm Healthについて
Paradigm Healthは、ARCH Venture Partnersによってインキュベートされ、General Catalystの共同インキュベーションを受けて立ち上げられた、AI駆動型臨床試験プラットフォームを提供する米国スタートアップで、米国オハイオ州コロンバスとニューヨーク市に本拠地を置き、現在は米国50州中46州、166ヘルスケア組織・2,100の医療提供拠点をカバーし、米国がん患者人口の約70%にリーチする全米最大級のオンコロジー臨床研究ネットワークを運営しています。ファウンダー兼CEOのKent Thoelke氏は、30年にわたるClinicalResearchOrganization(CRO)業界のベテランで、ICON plcのChief Innovation Officerおよび、買収前のPRA Health SciencesのChief Scientific Officerを歴任した人物です。経営陣にはCOOのMilind Kamkolkar氏(Sanofi元Chief Data Officer、Novartis元グローバルデータサイエンス&AI責任者)、Co-Founder兼取締役会長のRobert Nelsen氏(ARCH Venture Partners Managing Partner)らが参画しています。同社の中核となるのは、AIエージェントと電子カルテ(EHR)統合技術を組み合わせ、患者マッチング、サイト選定、データ収集、安全性・有効性モニタリング、レポーティングまでをエンドツーエンドで自動化する独自プラットフォームで、ヘルスシステムは試験への組入れスピードを従来比4倍に短縮できると報告されています。資金調達面では、2023年に2.03億ドルの初期ローンチラウンドを実施したのち、2025年12月にARCH Venture Partners主導で7,800万ドルのSeries Bを完了し、累計調達額は約2.81億ドルに到達。投資家にはARCH Venture Partners、General Catalyst、F-Prime、GV(旧Google Ventures)、Lux Capital、Mubadala Capital、DFJ Growth、American Cancer Society傘下のBrightEdge Fundなどが名を連ねます。同じく2025年12月には、Roche傘下のFlatiron HealthからClinical Research事業を買収し、全米最大のオンコロジー研究ネットワークを獲得。2025年9月にはParexelとのパートナーシップ、2026年4月にはFDAとの「Real-Time Clinical Trials」共同研究、SPIREプラットフォームの公式ローンチを経て、今回のDESTINY-PanTumor04試験の実行に至っています。神経科学、循環器疾患、代謝疾患など複数の治療領域への展開も進行中で、臨床試験を「ルーチンケアの一部」として再構築することを通じて、患者・研究者・スポンサーの三者の負荷を下げつつ、革新的治療法をより速く患者に届ける次世代の臨床研究インフラを構築しています。

 

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