1. Home
  2. News
  3. フロンティアAIのOpenAI、AI画像検証ツール「OpenAI Verify」を無償で公開しディープフェイク対策を強化
2026/05/26

Startup Portfolio

フロンティアAIのOpenAI、AI画像検証ツール「OpenAI Verify」を無償で公開しディープフェイク対策を強化

ChatGPTの開発元として知られるフロンティアAI企業のOpenAIは、AI生成画像を識別するための無償の画像検証ツール「OpenAI Verify」をローンチしたと発表しました。本ツールでは、ユーザーが任意の画像(PNG、JPG、WEBP)をアップロードすることで、その画像がChatGPT、OpenAI API、Codexといった同社のAIシステムによって生成されたものかどうかを確認できる仕組みです。あわせて、OpenAIはGoogleとのパートナーシップを拡張し、Google DeepMindの不可視ウォーターマーキング技術「SynthID」を、OpenAIのAIシステムで生成される画像にネイティブで埋め込む形へと進めています。背景には、ますます写実的になるAI生成画像が、本物のコンテンツとシンセティック・メディアの見分けを難しくしており、グローバルでディープフェイク懸念が急速に高まっていることがあります。

 

検証の中核は、2種類のマーカーの組み合わせです。1つ目は「C2PAメタデータ」で、画像の出所、作成に用いられたツール、タイムスタンプといった「プロベナンス(来歴)情報」をメタデータとして記録します。これは詳細な来歴情報を保持できる一方で、画像が編集されたりオンラインで共有されたりする過程で除去されうるという弱点があります。2つ目が、OpenAIがGoogle DeepMindと組んで導入した「SynthIDウォーターマーク」で、画像のピクセルそのものに人間の目には見えない形で埋め込まれ、スクリーンショット、リサイズ、圧縮といった変形操作に対しても耐性を持つよう設計されています。OpenAIは、C2PAが「詳細なプロベナンス情報」を、SynthIDが「改ざんに対するより強い耐久性」を提供する補完関係にあると説明しており、両者を併用することで、操作、スクリーンショット、リサイズに対する識別の信頼性を引き上げられるとしています。OpenAI Verifyは、ChatGPTとOpenAI APIを通じて生成された画像に対し、これら2つの検証レイヤーを追加で適用できる、誰でも無料で利用可能なパブリックツールとして提供されます。

 

戦略的にも、今回のローンチは規制および産業協調の流れと連動しています。EUおよび米国・カリフォルニア州では、2026年8月2日からAIの透明性に関する新たな法令が施行される予定であり、OpenAIによる先回りの動きはこうした法令対応をリードする位置付けにあります。コンテンツのプロベナンス標準「C2PA」と不可視ウォーターマーク「SynthID」の両方をサポートする企業として、すでにKakao、ElevenLabs、Nvidiaなどが名乗りを上げており、Google側もSearchおよびChromeを通じて検出機能を拡張する計画を発表しており、AI画像の信頼性を担保するための「業界標準スタック」が、検出側と来歴側の両軸で形成されつつあります。一方で、OpenAI Verifyは現時点ではOpenAIシステム経由で生成された画像のみを識別する仕様であり、MidjourneyやStable Diffusionといった他社モデルによって生成された画像までは検証できません。とはいえ、フロンティアAI開発の主要プレイヤー自らがこうしたツールを無償公開する意義は大きく、コンテンツ・プロベナンスとデジタル・ウォーターマーキングを業界標準として広めるうえでの一手として位置付けられます。OpenAIは、最新モデルや「Sora」を含む生成系プロダクトの広範な普及に伴い、テクノロジー側にも責任あるデプロイメント(責任ある配備)の責務が増していることを示すと同時に、自社モデルの正規利用と悪用との境界を明確化する仕組みづくりを、本ツール群を通じて推進していく構えです。

 

OpenAIについて
OpenAIは、2015年12月にSam Altman、Greg Brockman、Ilya Sutskever、John Schulman、Wojciech Zaremba、Andrej Karpathy、Elon Muskらによって設立された、米国・カリフォルニア州サンフランシスコを本社とする人工知能(AI)研究・開発組織で、現在はCEOのSam Altman、社長兼共同創業者のGreg Brockmanらをリーダーシップに据え、AGI(汎用人工知能)を「人類全体に便益をもたらす形で実現する」というミッションのもとで運営されています。当初は非営利組織として発足し、後に営利子会社を有するハイブリッド構造(capped-profit)に移行、Microsoftが大規模な戦略的投資家・コンピュート提供パートナーとして関与しています。主力プロダクトには、生成系大規模言語モデル「GPT」シリーズ(GPT-4/GPT-4o/o1/o3/GPT-5など)、対話型AIアシスタント「ChatGPT」、画像生成モデル「DALL-E」、動画生成モデル「Sora」、コーディングエージェント「Codex」、音声認識モデル「Whisper」、そして今回の「OpenAI Verify」などが含まれ、自然言語、画像、動画、音声、コードのいずれにおいてもグローバルでデファクト的な存在感を持ちます。資金調達面でも世界トップ水準で、近年はSoftBankがリードする大規模なテンダーオファーを含む複数のラウンドを通じて、評価額は5,000億米ドル規模に達したと報じられており、フロンティアAIラボとして研究、コンピュートインフラ、エンタープライズ・コンシューマ製品の三領域にわたる事業を急速にスケールさせています。

 

TagsAIUnited States

関連ニュース

Contact

AT PARTNERSにご相談ください