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AIインフラのCrusoe、オマーン投資庁(OIA)が一部エグジットで10倍超のリターン 評価額は約100億ドルに到達
オマーン政府系ファンドのOman Investment Authority(OIA)は、米国のAIインフラ企業であるCrusoeへの投資から、一部エグジット(部分売却)によって強いリターンを実現したと発表しました。OIAは保有株式の一部を売却した一方で、残りのスタンスは引き続き保有し、Crusoeの今後の成長機会から継続的にリターンを得ていく方針です。これはOIAが進める、柔軟な投資マネジメントおよびキャピタル・リサイクリング(資金循環)戦略の一環であり、得られた資金を有望なテーマへ再配分していくことが目的です。背景には、生成AIを中心としたAIセクターのグローバルな急成長、データセンター、クラウドコンピューティング、デジタルインフラへの旺盛な需要があり、こうしたメガトレンドの中で、適切なタイミングで部分売却を行う戦略が、グローバルな投資慣行として定着しつつあります。
今回のエグジットでOIAが実現したリターンは、年率内部収益率(IRR)で68%、リターン倍率で投下資本の10.3倍(10.3x)です。これは、テクノロジー領域の急成長スタートアップへの投資戦略と、未来志向セクターで質の高い案件を捕捉する能力の双方を体現する結果と言え、AIアプリケーションのグローバル展開、クラウドコンピューティングおよびその関連インフラに対する旺盛な需要を踏まえると、戦略の有効性を示す象徴的な実績となります。Crusoeへの投資は、OIAの「Future Generations Fund(次世代基金)」を通じて行われており、同基金は長期的な国際投資を通じて、持続可能なリターンを生み出すこととグローバル市場全体でのリスク分散を目的に運営されています。2025年末時点で、本ポートフォリオの資産は85.7億オマーン・リアル(RO)規模に達し、同年中に10.4億RO規模の利益を生み出し、年率投資収益率(ROI)は13.9%となっています。新たな投資ファンドの追加も継続中で、構成ファンド数は210本まで拡大しており、OIAが「未来志向セクターを多軸で押さえるバランス型グローバルポートフォリオ」を構築している姿勢が表れています。なお、OIA全体としては2025年に29億ROの利益と14.6%のROIを達成し、過去5年間の平均ROIは10.4%、Global SWFのレポートで世界のソブリンウェルスファンドの中で第3位、2025年中のパブリックマーケット投資のリターンでは世界第1位にランクインしています。
Crusoeは、2018年に米国・コロラド州デンバーで設立されたAIおよびクラウドコンピューティング・インフラ企業で、本来であれば油田で「フレアリング(焼却処分)」されてしまう天然ガスや、再生可能および未利用エネルギーといった「stranded(孤立した)」エネルギーリソースを活用して、データセンターやエネルギー集約的なアプリケーションを稼働させるという、ユニークなモデルから事業をスタートさせました。事業初期は同モデルを用いた暗号資産マイニングを軸としていましたが、その後、生成AIの爆発的な普及で急増したGPUコンピュート需要を捉えるべく、AIワークロード向けに特化したハイパフォーマンス・データセンターの構築へと事業をピボットしました。直近では、米国・テキサス州アビリーンで1.2ギガワット規模のキャンパスを稼働させ、米国・ワイオミング州で1.8ギガワット規模のキャンパスを建設中、加えてカナダ・アルバータ州で天然ガス駆動のデータセンターを運用しています。Microsoft、Oracle、OpenAI、Sony、Databricksらをはじめとするグローバル大手から、AI向けインフラのパートナーに選定されており、同社が手掛けるアビリーン・キャンパスはOpenAI/Oracle主導の「Project Stargate」の一翼を担っています。評価額は約100億ドル規模に到達しており、AI時代のインフラを「エネルギーから垂直統合する」プレイヤーとして地位を確立しつつあります。
Crusoeについて
Crusoeは、2018年にChase Lochmiller(CEO兼共同創業者)とCully Cavness(プレジデント兼COO、共同創業者)によって米国・コロラド州デンバーで設立された、AIインフラ企業です。Lochmillerは元ヘッジファンドのクオンツ兼登山家としてエベレストへの登頂も達成した人物で、もう一人の共同創業者であるCavnessとはコロラド州の14,000フィート峰を一緒に縦走する中で、油田で焼却処分されている「フレアガス」を電力源として活用して計算資源に変えるというアイデアを着想し、当初は同モデルを用いたBitcoinマイニング(Digital Flare Mitigation事業)を立ち上げました。その後、生成AIの普及に伴うGPUコンピュート需要の急増を捉え、ASICからGPUへとハードウェアをシフトし、AI向け大規模データセンターの設計・運用・GPUクラウド提供までを一気通貫で行う垂直統合プレイヤーへとピボット、2024年末にはBitcoinマイニング事業をNYDIGに売却して、AIクラウドインフラへの集中体制を整えました。現在のリーダーシップには、CEOのChase Lochmiller、President/COOのCully Cavnessに加え、CTOのNitin Perumbeti、CFOのMatthew DeNezzaが名を連ね、従業員数は約1,200名規模に達しています。資金調達面では、累計で約30億ドル超を調達済みで、2024年12月にFounders FundがリードしたシリーズDで6億ドル、2025年10月にはValor Equity PartnersとMubadala Capitalが共同リードし、NVIDIA、Fidelity Management、Founders Fund、Tiger Global、Salesforce Ventures、Franklin Templetonらが参加した13.8億ドルのシリーズEを評価額100億ドルで実施しています。加えて、Blue Owl CapitalおよびPrimary Digital Infrastructureとの間で、テキサス州アビリーンの1.2ギガワットAIデータセンターキャンパスに対する150億ドル規模のジョイントベンチャーを組成しており、2025年単年では追加トータルコントラクトバリューが約17倍、クラウドARRが約2.5倍(150%増)、新規ロゴが約70%増といった事業指標の急成長を実現しています。
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