クリーンエネルギーのDandelion Energy、Lennarと協力し米国最大級の住宅向け地熱導入を実施

住宅向けの地熱冷暖房システムを提供する米国のスタートアップ企業、Dandelion Energyは、大手住宅建設会社のLennarと提携し、米国史上最大規模となる住宅向け地熱ヒートポンプの導入を発表しました。この取り組みにより、今後2年間で、コロラド州に建設される1,500戸以上のLennarの新築住宅にDandelion Energyが開発した先進的な地熱システムが採用されます。地熱システムはエネルギー効率が高く、従来の空気熱源式ヒートポンプと比べ、今後20年間で合計約3,000万ドル（約45億円）のエネルギー費用の削減が見込まれています。

Dandelion Energyは、地熱システム導入を容易かつ安価にする画期的な設置手法を開発しており、従来型の屋外エアコンユニットや暖房装置を必要としないため、住宅の効率性と耐久性が大幅に向上します。Dandelion EnergyのCEO、Daniel Yates氏は「今回のLennarとの提携は、手頃な価格でエネルギー効率が高く、快適な住宅の新たな基準を示すものです。地熱技術を大量生産型住宅へ本格導入し、コロラド州の多くの住宅にコスト削減と高性能の冷暖房を提供できることを非常に嬉しく思います」と述べています。

Lennarの共同CEO兼エグゼクティブチェアマンのStuart Miller氏も「Dandelion Energyとの協力によって、コロラド州の住宅所有者に対し、よりクリーンで効率的な冷暖房方法を提供し、長期的なコスト削減を可能にします。これは質の高い住宅をより手の届きやすいものにするという私たちの使命にも合致しています」とコメントしています。

地熱ヒートポンプは高いエネルギー効率を誇り、家庭の光熱費を劇的に削減します。さらにピーク時の電力需要を抑制する効果もあります。米国エネルギー省の報告書によると、地熱ヒートポンプの普及によって、24,500マイル（約39,400キロメートル）に及ぶ新たな送電網建設の必要性が解消されるとされ、これは米国を約8往復できる長さに相当します。

コロラド州のPolis知事は、「地熱エネルギーはクリーンなエネルギー源であり、住民の生活費を抑え、環境を守ることにもつながります。Dandelion Energyがコロラド州で1,500戸以上の住宅に地熱冷暖房システムを導入することは、州の環境と経済の両面で極めて重要な成果です」と述べました。また、コロラド州エネルギー局長のWill Toor氏も、「地熱ヒートポンプは冷暖房効率が高く、排出量を削減し、電力網への負荷も軽減します。2050年までのネットゼロ実現に向けて、こうしたテクノロジーをより多くの家庭に普及させることが非常に重要です」と話しています。

今回のプロジェクトには、コロラド州による地熱ヒートポンプ導入支援の税制優遇措置や、電力会社Xcel Energyの新築住宅向け電化推進プログラムの補助金などが適用されます。これによりLennarのような住宅建設企業は導入コストを大幅に軽減でき、住宅購入者の負担軽減にもつながります。Xcel Energyコロラド州社長のRobert Kenney氏は、「地熱ヒートポンプの採用は、当社のクリーンヒート計画および新築住宅向け電化戦略と完全に一致しています。州政府や地域社会と連携し、排出量削減とエネルギーコスト低減を目的とした新たなプログラムの認知拡大を推進していきます」と述べています。

Dandelion Energyについて
Dandelion Energyは米国を代表する住宅向け地熱冷暖房システムの提供企業です。従来型の冷暖房より高効率で持続可能な地熱システムの普及を目指し、住宅所有者が簡単かつ低コストで地熱エネルギーを活用できる技術を開発・提供しています。