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2025/05/30

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Kubernetes仮想化のLoft Labs、仮想クラスターでクラウドコスト削減と運用効率向上を実現

Kubernetes環境の仮想化を推進するLoft Labsの共同創業者兼CEOであるLukas Gentele氏が、同社の取り組みや今後の展望について語りました。Loft Labsは、クラウド環境における次世代の仮想化技術「仮想Kubernetesクラスター(vCluster)」を開発しています。Gentele氏は10代からプログラミングに親しみ、大学時代にはソフトウェア開発会社を設立。共同創業者のFabian Kramm氏と共にオープンソースのKubernetes開発ツール「DevSpace」を開発した経験があります。その後、Kubernetesのマルチテナンシー(複数ユーザーの安全な共存)問題を解決するための技術としてvClusterを生み出しました。

 

Loft Labsの主力製品であるvClusterは、一つの物理クラスタ内に仮想化された複数の独立したKubernetes環境を構築可能にします。これにより、運用コストを抑えつつ、スケーラビリティやセキュリティを維持できる点が特徴です。また、ユーザーの活動を検知してリソース消費を自動的に抑制する「スリープモード」も備えており、さらなる効率化を実現しています。最近では、開発環境を迅速に構築できるオープンソースツール「DevPod」も提供しています。DevPodはベンダーロックインを回避しつつ、クラウドベースで開発環境を簡単に構築・管理できることが特徴です。

Gentele氏はこれまでの課題として、Kubernetes技術におけるコンプライアンス要件の急激な変化への対応、競合企業との差別化、そして新たな仮想化層を導入することへの企業側の慎重な姿勢などを挙げています。しかし、企業が抱えるこうした課題を解決するため、vClusterの継続的な改善を行い、Rancherとの統合や運用性向上のための新機能開発を進めてきました。Loft Labsにとっての重要なマイルストーンとしては、2021年のvClusterのオープンソース化、シリーズAの資金調達、GitHubでのスター数5,000達成、vClusterの累計ダウンロード数4,000万回突破などがあります。また、最初のFortune 500企業を顧客として獲得したことも大きな成果の一つでした。

 

実際の顧客事例では、データプラットフォーム企業のAtlanが、Loft LabsのvClusterを活用し、物理クラスタを100から20に大幅削減。顧客ごとに仮想クラスターを構築することで、運用コストと管理の負担を劇的に軽減し、セキュリティとコンプライアンスも維持することができました。競合他社との差別化ポイントについてGentele氏は、Kubernetes仮想化に特化した唯一のベンダーであることや、大手クラウドプロバイダーが競合製品を出す可能性が低いことを挙げています。またDevPodに関しても、オープンソースで完全無料であり、ベンダーロックインを避けられることが差別化要素になっています。Loft Labsは今後、仮想クラスターを簡単にスナップショットして異なるクラウド環境に移行可能にする機能や、コスト削減効果を計算できるツールを開発する計画です。また、グローバル展開や新たなパートナーシップの拡大も進めていきます。

 

Loft Labsについて
Loft LabsはKubernetes環境向けの仮想化技術を提供する企業です。主力製品のvClusterを通じ、企業のクラウドコスト削減と運用効率の向上を支援しています。

 

TagsDevOpsUnited States

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