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AI評価プラットフォームGalileoが参加するAGNTCY、エージェント間の相互運用性標準を目指す
Cisco、LangChain、Galileoなどが参加するオープンソースの共同体AGNTCYは、異なる企業や組織が構築するAIエージェント同士を自由かつ円滑に連携させるための標準化言語を開発しています。将来的には、異なるLLMやデータフレームワークで作られたエージェントが問題なくやり取りできることを目指しており、AIエージェント同士の通信手法を統一する取り組みが重要とされています。
AGNTCYでは、エージェント同士が互いにデータやタスクをやり取りできる「インターネット・オブ・エージェント」を実現することが大きな目標になっています。Outshift by Ciscoを率いるVijoy Pandeyは、かつてTCP/IPやDNSが異なるコンピュータ同士の接続を可能にしたように、AIエージェントにおいてもオープンで相互運用性のある仕組みが不可欠だと述べています。現在はCisco、LangChain、Galileoがコアメンテナーを務め、GleanとLlamaIndexが貢献企業として参加しており、今後さらに多くの企業を招き入れて業界標準としての地位を確立していく方針です。
エージェントの相互運用性が求められる背景には、企業のネットワーク外で動作するエージェントとも連携する必要があるという課題が挙げられます。AI技術は急速に変化するため標準化は難しいものの、LangChainはすでにAgent Protocolを導入し、ほかのフレームワークで作られたエージェントと対話できるようにしています。一方、AnthropicもModel Context Protocol (MCP)を発表し、モデルやAIツールがデータソースと接続しやすくなるような取り組みを進めていますが、こちらもまだ業界標準となるには至っていません。
AI評価プラットフォームGalileoの共同創業者Yash Shethは、標準化こそがエージェント導入の速度を高める鍵になると強調し、現在のように各社が独自インフラを一から構築している状態を改善すべきだとしています。LangChainのCEOであるHarrison Chaseも、エージェントの開発はすでに現実のものとなっており、ReplitやKlarna、LinkedIn、Uber、Appfolioなどが実際にエージェントを構築していると述べています。そのうえで、次のステップとしてはエージェント同士をつなぐプロトコルを確立し、さらに広い連携を実現することが重要だとしています。
AGNTCYは単なるソースコードの集合にとどまらず、参加するエージェント同士を発見し、組み合わせ、評価できるプラットフォームとしての機能を提供する予定です。ただし、業界標準としての地位を確立するには、より多くのAI関連企業の参加と多様な視点が必要です。Pandeyによれば、大手を含む多くのプレイヤーと話し合いを続けながら、将来的にはあらゆるAIエージェントが互いにシームレスに連携できる世界を目指していくとのことです。
AGNTCYについて
AGNTCYは、CiscoやLangChain、Galileo、Glean、LlamaIndexなどが中心となって設立されたオープンソースの共同体です。異なるフレームワークやLLMで構築されたAIエージェント同士の通信を容易にするための共通言語やプロトコルを開発し、エージェント間のシームレスな連携を目指しています。企業の垣根を超えてエージェントの協調を可能にするインターネット・オブ・エージェントを構想し、グローバルな規模での人間の労働や業務効率を高めることを目的としています。
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