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次世代RNA医薬のComanche Biopharma、EMAより早産型妊娠高血圧腎症治療薬CBP-4888の希少疾病用医薬品指定を取得
Comanche Biopharmaは、欧州医薬品庁(EMA)より、同社のRNA医薬品候補「CBP-4888」が、sFlt1が関与する早産型妊娠高血圧腎症(子癇前症)の治療薬として、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けたと発表しました。妊娠高血圧腎症(子癇前症)は、妊娠中に重篤な合併症を引き起こす疾患であり、EUでは年間約10,000件の妊娠のうち4件ほどの割合で発症しています。同社が開発しているCBP-4888は、siRNA技術を用いた新しいタイプの薬剤で、胎盤において過剰に発現するタンパク質「sFlt1」を選択的に抑制します。このタンパク質は、子癇前症の病態を引き起こす主要な要因として知られており、現在、治療薬が存在しないこの疾患に対して、世界初の精密医療(プレシジョン・メディシン)になることが期待されています。
Comanche Biopharmaの最高医療責任者(CMO)であるAllison August医師は、「CBP-4888に希少疾病用医薬品指定を与え、子癇前症を生命にかかわる重大なアンメットメディカルニーズとして認識していただいたEMAに感謝します」と述べ、「子癇前症は母体と胎児に短期的な健康リスクをもたらすだけでなく、その後の人生においても重篤な健康上の問題を引き起こすことがあります。CBP-4888は疾患の根本原因に精密医療としてアプローチすることで、母子双方が抱える短期的および長期的な影響を未然に防ぐ可能性があります」と期待を示しました。
EMAが指定する希少疾病用医薬品は、EU域内で10,000人あたり5人未満の患者数しか存在しない疾患を対象とし、診断、予防、治療手段がないか、または患者に大きなメリットをもたらす場合に適用されます。指定を受けた企業は、開発支援、市場独占権、規制関連費用の減免などの恩恵を受けることができます。sFlt1が過剰に産生されると母体の血管が損傷され、新たな血管形成も阻害されます。その結果、妊娠高血圧腎症の症状や胎児の成長遅延などが引き起こされます。CBP-4888は、この過剰発現を選択的に抑制し、母体における急性症状を緩和し、妊娠期間の延長を可能にすることで、母子双方の短期的および長期的なリスクを最小化する可能性があります。CBP-4888は、EMAの希少疾病用医薬品指定に加えて、米国FDAのファストトラック指定、および英国の革新的ライセンシング・アクセス経路(ILAP)の「イノベーションパスポート」指定も受けています。
Comanche Biopharmaについて
Comanche Biopharmaは、臨床段階にあるバイオ医薬品企業であり、革新的な治療薬を開発・提供することで、世界中の妊娠をより安全なものにすることを目指しています。現在開発中のCBP-4888は、妊娠高血圧腎症の根本原因にアプローチする世界初の治療薬候補であり、世界中で母子の健康を脅かしている妊娠合併症の負担軽減を目指しています。同社は、世界中のすべての人々が経済状況や人種にかかわらず平等に臨床開発に参加できる倫理的な取り組みにも力を入れています。
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