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2026/05/22

Startup Portfolio

AIデータセキュリティのCyera、設立わずか5カ月のスタートアップGenie Securityを約5,000万ドルで買収

AIパワード・データセキュリティのリーダー企業として知られるCyeraは、エンドポイント型のデータ保護技術を開発するスタートアップGenie Securityを推定5,000万ドルで買収したと報じられました。Genie Securityは設立からわずか5~6カ月、従業員5名という規模の極めて若い企業ですが、すでにイスラエルおよび米国の組織で数百台規模のエンドポイントへの本番展開実績を持っており、AIエージェント時代に急増する「エンドポイント発のデータ流出」をリアルタイムに検知するエージェント型ソリューションを開発しています。買収後、Genie SecurityのチームはCyeraのDLP(データ・ロス・プリベンション)グループに合流し、エンドポイント・データセキュリティ機能の拡張に注力する予定で、Genieのテクノロジーは、すでにFortune 500企業の20%に導入されているCyera既存プラットフォームへ統合され、AI活用を一段と深める基盤となります。

 

Genie Securityは、CEOのNadav Noy氏(30歳)とCTOのNoam Dotan氏(31歳)によって創業されました。Nadav Noy氏はイスラエル国防軍(IDF)の名門サイバー部隊「Unit 8200」の出身で、イスラエル国防賞を受賞したプロジェクトをリードしてきた人物です。Noam Dotan氏はIDFの情報セキュリティ部隊「Matzov」出身で、その後サイバーセキュリティ・スタートアップのLegit Securityでファウンディングチームに参加した経歴を持ち、ここでNoy氏と出会いました。二人は2023年10月7日の攻撃以後の長期にわたる予備役勤務を経て、AIエージェントの普及によってもたらされる新たなセキュリティ課題に取り組むためにGenie Securityを共同創業しました。同社が手掛けるエージェント型ソリューションは、組織のエンドポイント端末に直接インストールされ、人間のオペレーションによるものか、Claudeをはじめとする生成AIツールの利用に起因するものかを問わず、リアルタイムでデータ漏洩の試みを識別する設計となっています。Genieはこれまでの数カ月で、Mensch CapitalおよびDynamic Loopがリードした約300万ドルのシードラウンドのみを実施し、Wiz共同創業者でCEOのAssaf Rappaport氏らもエンジェル投資家として参加していました。Cyera共同創業者のYotam Segev氏は、「Cyeraは、エンドポイントにおける統合的なAI&データセキュリティを提供するためにGenie Securityを買収した。エンドポイントはセキュリティにおいて最もクリティカルな戦場のひとつとなりつつあり、Nadav Noy、Noam Dotan、Genieチームは、この瞬間が要求するAIパワード・ケイパビリティの構築を加速させてくれる」とコメントしています。

 

今回のディールは、Cyeraがアグレッシブに進めるM&A戦略の5件目に当たります。同社は直近1年間で、次世代型DLP企業のTrail Securityを1.62億ドル、Identity-Aware Network Securityを手がけるOtterize、Shape AIに加え、AIエージェント時代向けデータ管理プラットフォームのRyftを1~1.3億ドル(推定)で買収しており、これらを通じて従業員数を約3倍に拡張し、15カ国で約1,500名の体制にまで到達しています。背景には、組織内でのデータ・フローの根本的なシフトがあります。従業員が生成AIツールを業務に取り込むにつれ、機密データはこれまで以上にエンドポイントとSaaS、生成AIサービスとの境界を越えて移動するようになっており、従来のクラウド中心のDSPM(Data Security Posture Management)だけでは捕捉しきれない領域が拡大しています。Cyeraはここに、エンドポイント側で発生するリアルタイムのデータ離脱を検知できるGenieのケイパビリティを統合することで、「クラウドからエンドポイントまでをまたぐ統合データセキュリティプラットフォーム」を完成形に近づける構えで、AIトランスフォーメーション全体にわたるセキュリティの基盤としての位置付けを強化していくとみられます。

 

Cyeraについて
Cyeraは、2021年にYotam Segev(CEO)とTamar Bar-Ilan(CTO)によって、米国・ニューヨークを本社に設立されたAIパワード・データセキュリティ企業です。両共同創業者はイスラエル国防軍(IDF)のサイバー部隊「Unit 8200」での兵役中に出会い、IDFのクラウドセキュリティ部門の構築と運営に従事した経歴を持ち、その後、クラウド上のデータセキュリティ課題に直接向き合った経験から、企業や組織に対して機密データが「どこにあり、何に紐づき、どう保護されているか」を一元的に可視化する統合データセキュリティプラットフォームの構築に着手しました。同社の中核プロダクトであるDSPM(Data Security Posture Management)に加え、Trail Security買収を経て拡充したDLP(Data Loss Prevention)、RyftやGenie Securityの統合によるAIエージェント向けデータコントロールおよびエンドポイント・データセキュリティを束ねた「Unified Data Security Platform」を提供しています。資金調達面では、累計で17億ドル超を調達しており、直近のシリーズFラウンド(4億ドル)では評価額90億ドルを達成、CNBC Disruptor 50ではトップに位置するサイバーセキュリティ企業として選出されるなど、AI時代におけるデータセキュリティのカテゴリーリーダーとして地位を確立しています。

 

TagsCyber SecurityAIUnited States

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