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2026/04/10

Startup Portfolio

自律型AIエージェントで業務実行を担う生成AIプラットフォームのPerplexity、検索中心からの転換で売上急拡大

Perplexityは、質問に答える検索型AIから、実際の業務を遂行する自律型AIエージェントへ軸足を移し、急速に売上を伸ばしています。San Franciscoを拠点とする同社の年間経常収益は、2026年3月時点で4億5000万ドルを超え、単月で50%増加したと報じられました。この伸びは、単なるAI検索サービスから、実務を完了するAIエージェント提供へと進めてきた戦略転換と密接に結びついています。この変化の中心にあるのが、新製品「Computer」です。これは一般的なチャットボットではなく、OpenAI、Anthropic、Googleなどの提供する最大19種類のモデルを組み合わせて、複数工程にわたる作業を実行する統合制御層として設計されています。利用者はAIに答えを求めるのではなく、達成したい結果を指示し、その実行を任せることができます。たとえば、文書確認、販促施策の立案、広告費配分の動的調整、米国連邦税申告書の作成まで担えるとされており、すでに「Computer for Taxes」のような業種別・業務別の機能展開も始まっています。Perplexityは、汎用的な補助役ではなく、高付加価値な具体業務を処理する仕組みとしてこの製品を位置づけています。

 

この戦略転換に合わせて、課金体系も変わりました。Perplexityは現在、利用量に応じた従量課金制を導入しており、トークン単価、利用上限、下位モデルの選択制御などを明確にしています。月額200ドルのMaxプランには一定の利用枠が含まれ、その後はモデル原価に近い水準で課金される仕組みです。上乗せ料金を抑えた設計は、エージェント型業務処理が従来の検索型サービスよりはるかに大きな計算資源を必要とする現実を反映したものです。利用者側も、この新しい価値に対して対価を払う姿勢を見せ始めています。社内実証の一例では、ある導入案件が週末のうちに年間22万5000ドル規模のマーケティング関連システムを置き換えたとされています。こうした成果は、単なる利便性の向上ではなく、既存コストの代替という、より直接的な経済価値を示しています。Perplexityが売っているものは情報検索の効率化ではなく、仕事そのものの代行へと移りつつあります。

 

同社の成長は突然始まったものではありません。CEOのAravind Srinivasのもと、2022年の創業以来、急速に拡大してきました。2024年初頭には年間経常収益が約1000万ドル、2025年3月には約1億ドル、2025年半ばには約1億4800万ドルに達したと推定されています。そして今回、1年足らずで4億5000万ドル超に到達したことは、一般利用者の増加だけでなく、企業利用の浸透が深まっていることも示しています。利用者数も同様に拡大しています。Perplexityは現在、月間アクティブユーザーが1億人を超えるとしています。Computerは2026年2月下旬にまずMax加入者向けに提供され、その後Proプランや企業向けプランにも拡大されつつあります。これにより、より高付加価値な業務利用の入り口が広がり、売上成長の基盤も厚くなっています。

 

投資家もこの動きを敏感に追っています。Perplexityの企業価値は、2024年後半の90億ドルから、140億ドル、180億ドルへと上昇し、2025年9月には200億ドルに達しました。累計調達額は約15億ドルとされており、投資家はチャット型AIではなく、自律型AIエージェントこそが次の市場を形作ると見ているようです。この見方は業界全体にも広がりつつあり、Gartnerは2026年末までに企業向けアプリケーションの40%が業務特化型エージェントを含むようになると予測しています。これは1年前の5%未満からの急増です。また、Fortune Business Insightsの予測では、エージェント型AI市場は2026年の91.4億ドルから2034年には1390億ドルへ成長するとされています。Perplexityはさらに、2026年2月に広告を全面的に廃止しました。AI生成出力への信頼を損なう恐れがあることを理由にしており、この判断は従来の検索企業とは異なる姿勢を示しています。収益源を広告ではなく、購読料と利用実績に連動した従量課金へ寄せることで、成果に基づく収益モデルを明確に打ち出した形です。

 

こうした動きにより、Perplexityの競争相手も変わり始めています。もはや同社が戦っているのは単なる検索エンジン企業ではなく、業務自動化、ワークフロー実行、明確な投資対効果を武器にするMicrosoftやSalesforceのような企業向けソフトウェア企業に近づいています。社内では2026年末までに年間経常収益6億5600万ドルを目標としていたとされますが、現在の成長速度を考えると、それは十分に射程圏内に入ってきたように見えます。Perplexityの今回の動きが示しているのは、単なる一社の売上急増以上の意味です。AIの価値が、情報を取り出すことから、実際の作業を完了することへ移りつつあるという大きな変化そのものです。最新の数字は、利用者も企業もその変化を受け入れ始めており、その対価を支払う用意があることを物語っています。

 

Perplexityについて
Perplexityは、2022年に元Googleおよび元OpenAIのエンジニアによって設立されたAI企業です。もともとは、オンライン情報源をもとに出典付きで素早く回答を返す「答えを返す検索エンジン」として知られていましたが、現在は自律型AIエージェントによる業務実行へと事業領域を広げています。IVP、New Enterprise Associates、Nvidiaなどから累計15億ドル超を調達しており、従来型検索に対する新たな対抗軸として成長を続けています。

 

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