Clinical Trials TechのLindus Health、Quotient Sciencesと提携し創薬開発を加速

Lindus HealthとQuotient Sciencesは、創薬初期のfirst-in-human（FIH）からproof-of-concept（POC）試験、さらに後続の臨床開発へと進む流れをよりスムーズにし、バイオテックおよび製薬企業の開発スピードを高める戦略的パートナーシップを発表しました。Lindus Healthは「anti-CRO」を掲げ、従来より大幅に速く信頼性の高い臨床試験の運用を目指す企業で、Quotient Sciencesはグローバルに臨床開発と製造を支援するアクセラレーターです。両社は、Phase I〜IIaにおける患者リクルートを強化し、FIHからPOC試験までの一貫した導線を提供することで、新規治療の患者への到達を早めることを狙います。

従来の創薬開発では、前臨床から臨床にかけて複数のベンダーを使い分ける必要があり、引き継ぎによる情報の断絶や、運用上の遅延、重複作業といった非効率が生じやすいという課題がありました。今回の提携では、Quotient Sciencesが持つ早期臨床と薬剤開発の専門性と、Lindus Healthが得意とする患者リクルートおよび後期フェーズの試験運用能力を組み合わせることで、顧客に対して連続性の高い開発体験を提供するとしています。これにより、スポンサー企業はベンダーマネジメントに追われることなく、科学の前進により集中でき、管理負担を減らしながら開発タイムラインを短縮できるとしています。

Quotient Sciencesは米国と英国のクリニックで年間70件超のPhase I試験を実施しており、FIHからPOCまでのプログラムや臨床薬理試験を専門としています。同社のTranslational Pharmaceutics®モデルは、製剤開発と早期臨床機能を統合し、処方設計からFIHまでを迅速に進められる点が特徴です。一方で近年の早期フェーズ試験では、従来の健常者ボランティアに限らず、特定の患者集団やリクルートが難しいコホートが求められる傾向が強まっています。ここでLindus Healthは、オムニチャネルの募集手法、4,000万件超の電子医療記録（EMR）へのアクセス、広範な治験実施施設ネットワークを活用してリクルートを支援します。Lindus Healthは全試験で登録期間を平均73％短縮してきた実績を掲げており、Quotient Sciencesが患者を対象とする高品質なPhase I〜IIa試験を効率的に遂行することを後押しするとしています。

Lindus Healthは米国、英国、欧州でPhase II試験の経験とエンドツーエンドの運用能力を持ち、呼吸器、神経精神、心血管・代謝、皮膚科など複数の治療領域に対応しています。両社は、Phase Iとその後の試験で別々のCROを探して評価する必要を減らし、引き継ぎ回数を抑えた臨床開発プロセスを提供することで、意思決定の明確化と開発期間の短縮につなげるとしています。Lindus HealthのCo-CEOであるMichael Young氏は、臨床開発のボトルネックを取り除く取り組みの一環だと述べ、FIHからピボタル試験まで連続した体験を提供できる包括的な開発パスを構築すると説明しています。Quotient SciencesのChief Strategy OfficerであるMatt Paterson氏も、早期フェーズでは患者コホートと迅速な反復がより重要になっているとし、Lindus Healthのリクルート基盤とQuotient Sciencesの早期臨床開発およびTranslational Pharmaceutics®を組み合わせることで、引き継ぎを減らし、より短いタイムラインで後期試験へ進めると語っています。

Lindus Healthについて
Lindus Healthは「anti-CRO」を標榜し、固定価格かつマイルストーン連動型の契約によってインセンティブを揃えながら、テクノロジーと臨床オペレーションの革新で臨床試験を高速・高信頼に実行する企業です。4,000万件超の電子医療記録（EMR）へのアクセスと独自ソフトウェア、臨床運用チームを組み合わせ、スピード、再現性、成果を重視した治験運営を提供します。糖尿病、喘息、うつ病、高血圧、慢性疲労症候群など幅広い領域で米国・英国・欧州の試験を支援しており、患者募集・維持に関する評価や業界表彰も受けています。累計調達額は8,000万ドル超で、Balderton、Peter Thiel、Creandum、Firstminute Capital、Seedcampなどが投資家として名を連ねています。