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2025/12/07

Startup Portfolio

Anthropic、ユーザーのAI利用実態を聞き取る新ツール「Interviewer」をClaude上で試験提供

Anthropicは、ユーザーのAI利用状況や意識を聞き取るための新ツール「Interviewer」を発表しました。同社の多くのAIツールがユーザーの作業支援を主目的としているのに対し、Interviewerは「ユーザーから学ぶ」ことに特化した設計になっている点が特徴です。サンフランシスコ拠点の同社は、Claude上で1週間限定のパイロットとして提供するとしており、この期間中にClaudeを利用するユーザーには、画面上にポップアップする形でインタビュー参加が呼びかけられます。Anthropicは、このツールを通じて収集したユーザーの意見や利用パターンを集約し、その結果を公開する方針も明らかにしています。

 

Interviewerは、Anthropicの自社モデルClaude上に構築されており、質問設計、インタビュー実施、回答要約までを自動化するリサーチ支援ツールとして設計されています。ツールのワークフローは「企画」「インタビュー」「分析」の3フェーズで構成され、企画フェーズでは研究目的に基づきAIが質問案を生成し、人間のリサーチャーが必要に応じて修正を加えます。インタビューではClaudeが会話形式で参加者とやりとりし、回答に応じて柔軟に聞き方や深掘りの流れを変えていきます。終了後は、人間とAIの共同作業でトランスクリプトを分析し、Claudeが回答のクラスタリングやテーマ抽出を行い、それに研究者が文脈や解釈を付与する流れです。このツールは既に実務でテストされており、これまでに一般職1,000人、理系分野(化学・物理・工学・データサイエンスなど)125人、クリエイティブ職(ライター、アーティスト、デザイナー、ミュージシャンなど)125人、合計1,250人を対象に「仕事とAI」に関するインタビューが行われ、その結果が別ブログで公開されています。

 

初回調査の結果によると、参加したプロフェッショナルの多くが仕事におけるAIの役割をポジティブに評価している一方で、懸念も併存していることが明らかになりました。一般職では86%が「AIは時間の節約になる」と回答し、65%が「業務におけるAIの役割に満足している」と答えています。多くは、AIが定型的・反復的な作業を引き受けることで、人間がより高度な創造的業務やマネジメント・監督業務に集中できると捉えています。一方で、クリエイティブ職や理系分野の一部からは、仕事のアイデンティティの揺らぎ、データセキュリティ、ワークフローにAIが深く組み込まれた際の「制御の喪失」への不安が示されています。また、研究設計などクリティカルなタスクへのAI活用については、信頼性や精度への懸念から慎重な姿勢も見られました。興味深い点として、AIの使い方は「人とAIが協働するオーグメンテーション」と「AIがより自律的に業務を行うオートメーション」の2パターンに大別され、全体の約65%が前者、35%が後者だと回答しており、多くの人が「置き換え」ではなく「協働」を志向していることも示されています。

 

Anthropicについて
Anthropicは、Dario Amodei氏らによって設立されたAI研究・開発企業で、安全性と制御性、透明性を重視した大規模言語モデルやエージェント技術の開発を進めています。Claudeシリーズを中心に、企業向けAPIやツール群を通じて「有用で、誠実で、害を与えないAI」の実装を目指しており、憲法AI(Constitutional AI)など独自の学習手法で高度なAIを責任ある形で社会に展開することに注力しています。

 

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