Startup Portfolio
Cyber SecurityのAxonius、医療向けIoTセキュリティのCynerioを1億8000万ドルで買収し、重要インフラ分野へ本格展開へ
サイバーセキュリティ分野のユニコーン企業Axoniusは、医療機器向けIoTセキュリティおよび資産管理を手がけるCynerioを1億8000万ドル(約280億円)で買収することを発表しました。イスラエル発の両社による本件は、条件付きで最大2億5000万ドルまで総額が拡大する可能性があると報じられています。
Cynerioは、イスラエル国防軍(IDF)サイバー精鋭部隊「8200部隊」出身のLeon Lerman氏(CEO)とDaniel Brodie氏(CTO)により2018年に設立され、医療機器を標的とするサイバー攻撃から防御する専用ファイアウォール技術を開発してきました。これまでにALIVE Israel HealthTech Fund、Accelmed、RDC(RafaelとElronの合弁)、スイスのMTIPなどから総額5000万ドルの資金を調達しています。同社はイスラエル、米国、欧州に約70名の従業員を擁し、今回の買収によりその大多数がAxoniusに吸収される予定です。Axoniusはこの買収を通じて、自社のセキュリティ資産管理プラットフォームを医療・重要インフラ分野に拡張する方針であり、初年度で数千万ドル規模の年間経常収益(ARR)の増加が見込まれています。
Axoniusは2017年にニューヨークで設立され、こちらもIDF出身のDean Sysman氏、Ofri Shur氏、Avidor Bartov氏が創業者です。同社のプラットフォームは、企業ネットワークに接続されたあらゆるデバイスの資産管理とセキュリティ強化を可能にし、未対応リスクの可視化とポリシーの自動適用を実現します。創業以来、Axoniusは6回の資金調達で約5億9500万ドルを調達しており、AccelmedやSilver Lakeが出資するラウンドでは評価額が26億ドルに達しています。2023年には年間経常収益が1億ドルを突破し、News Corp.、Schneider Electric、米国防産業系企業などが主要顧客として名を連ねています。
Cynerioは、医療セキュリティに特化した技術を活かしつつ、IoTおよびサイバー物理システム(CPS)への事業拡張を図るため、今回の買収を受け入れました。Axoniusのプラットフォームに統合されることで、同社の技術がグローバルに拡大されることを期待しています。イスラエルの業界関係者によれば、「これまでAxoniusとClarotyの統合が噂されていたが、今回のCynerio買収によってその流れが変わった。Axoniusは最新技術を武器に重要インフラ分野でもClarotyと直接競合する立場に入るだろう」とコメントしています。
関連ニュース
Axonius に興味がありますか?
最新ニュース
Descope、AIエージェント向けポリシー制御・監査を強化する「Agentic Identity Control Plane」をリリース
2025/08/05
Cyber Asset IntelligenceのAxonius、AIセキュリティ時代の「データ信頼ギャップ」に警鐘
2025/08/05
AppSecのApiiro、環境に最適化した自動修正AI「AutoFix Agent」リリースし、エンタープライズに新たなセキュリティ自動化
2025/08/05
Web3のOstium、株式向けオンチェーン「0DTE パーペチュアル」ローンチし、オプション・CFDに代わる新構造を提供
2025/08/04
インドのソーシャルゲーミングプラットフォームの"STAN"がSeries Aで$8.5Mを調達
2025/08/01