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2024/04/15

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Google出身者が数か月前に設立したAIスタートアップSakana AIが、日本で本格稼働

東京を拠点とし、元Googleの研究者が創業したスタートアップSakana AIが、人工知能(AI)への追随を目指す日本企業の関心の高まりに乗じています。9か月前に設立されたこのベンチャーには、東京のGoogle Brainチーム立ち上げに携わったDavid Haと、現在のAI波を生み出した重要な論文の著者の一人であるLlion Jonesが率いる体制が、日本から過剰な歓迎を受けています。10人の従業員を抱えるこのスタートアップは、政府からスーパーコンピューター利用の助成金を獲得し、日本のAIエコシステム構築に向けて、日本電信電話やソニーグループなどの重量級企業とのプロジェクトを検討しています。また、政府機関の業務や、小規模ながら成長しつつある日本の防衛産業での下請け業務も視野に入れています。

赤い魚が群れから離れるロゴを掲げるSakana AIは、小規模データセットを使って低コストの生成AIモデルを訓練することを目指しています。同社のチームは先月、企業がAI能力を迅速に構築できることを示すデモの一環として、日本語話者向けの3つのAIモデルを公開しました。HaとJonesが東京に拠点を構えた理由の一つは、日本のAI分野の未開拓の可能性があったためです。携帯インターネットやQRコードなどの先駆的技術があるものの、現金のみの店舗や、FAXと社印の日常的な使用から、日本はデジタル後進国の評価を受け、米国や中国に遅れをとっています。Haは「NTTやKDDI、ソニーといった企業と協力したいのです。そこにチャンスがあるからです。誰もそこに手を付けていません。セクシーには聞こえませんが、実際はそうなのです」とインタビューで語っています。

約2億ドルの評価額があるSakana AIのアプローチは、OpenAIなど巨額の資金を投じて大規模データセットでAIを訓練する業界リーダーとは対照的です。Sakana AIは、データを組み合わせ、テスト、破棄する際に自然選択を模倣するアルゴリズムを使うことで、言語や画像を処理するAIモデルの作成を自動化でき、必要な人的投入を削減できると主張しています。これにより時間とエネルギーを節約できるとHaは述べています。多くのモデルを訓練するために必要な電力やリソースは膨大で、数か月間データセンター全体を独占することになります。「私たちは、同等のパフォーマンスを実現しながら、計算リソースを節約し、その時間を数日または数週間に短縮したいのです」とHaは語っています。日本は、AIの市場としての可能性で世界的な注目を集め始めています。マイクロソフトは今後2年間で29億ドルを投じ、同国のデータセンターとクラウドコンピューティングインフラを整備する予定です。一方、OpenAIの共同創業者Sam Altmanは今月、東京に事務所を開設します。マイクロソフトはソフトバンクと生成AIで提携し、OpenAIはRakutenグループと協力して国内向けAIサービスを展開します。

Sakana AIは、先月KDDI(日本第2位の通信事業者)による買収が発表されたElyzaとも競合関係にあります。東京大学の研究者が立ち上げたElyzaは、企業や自治体向けの生成AIエンジン用に、日本語の大規模言語モデルを開発しています。AIの研究分野でのHaとJonesの実績が後押しし、Sakana AIは今年、経済産業省の「生成AI加速チャレンジ」助成金の7機関の1つに選ばれました。この助成には、日本のスーパーコンピューティングリソースを使ってテストやモデル訓練を行う時間が含まれています。2人はGoogleで出会い、Jonesは引用されることの多い論文「Attention Is All You Need」の共著者、Haはむしろ1つの大規模モデルを使うのではなく、小規模AIモデルの集団を協調させるプロジェクトに携わっていました。2人は、メルカリのヨーロッパ進出を主導した元日本の外交官のRen Itoと共にSakana AIを設立しました。

最近のシードラウンドでLux Capital、Khosla Ventures、ソニーなどから3,000万ドルを調達したこのスタートアップは、Haによると世界中から数百件の履歴書を受け取っているとのことです。「日本で独自の基盤モデルを持ちたい企業は、私たちまたは私たちのような企業と協力して、独自のモデルを開発することができます」とHaは述べています。「日本がイノベーターになる余地はあると考えています」アジアでトップクラスの自由民主主義国である日本が、独自のAI開発でより大きな役割を果たすことが重要だとHaは指摘します。言語には文化やデータのバイアスが内在しており、AIモデルに影響を与えるためです。「スーパーハイパフォーマンスではなくても、少なくとも独自の基盤モデルを持つオプションを企業が持つのは理にかなっています。彼ら自身のFAXマシンを所有する必要があるのです」とHaは言います。

 

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