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FinTechのDataRailsレポートから、手作業による財務報告で米国企業は年間61億ドルのコストをかけていることが判明
DataRailsのレポートによると、財務計画・分析(FP&A)チームは、予算、月末締め、予測などの手作業に毎週少なくとも2時間を費やしており、企業の年間予算の作成には最大で6カ月かかっていることがわかりました。米国の中小企業から大企業まで839,8000社を対象にした経済分析によると、こうした負担の大きい手作業によるコストは、米国企業で年間61億ドルにものぼることがわかりました。また、FP&A部門がトップラインの成長に直結するプロジェクトを通じて、控えめに見ても0.1%の収益増加を達成した場合、さらに17億ドルの費用がかかる可能性があることも判明しています。この調査では、FP&Aチームが自動化を活用できず、十分に収益を上げることができない場合、2022年に米国企業に78億ドルの損失が発生することが判明しています。
この調査では、創意工夫を凝らしたFP&Aチームにとって、収益の0.1%成長は控えめな投資対効果であると指摘しています。例えば、アマゾンのFP&A部門は、現在2億人の会員を数えるアマゾンプライムの誕生に貢献しました。その他にも、製造業のChemoursではFP&Aチームが60億ドル規模の工場のマージンを改善し、LegoやHPなどではCOVID-19の期間中にリアルタイムデータを利用して収益を上げるなど、収益を上げるためのFP&A施策が行われています。
報告書では、貧弱なマニュアル財務プロセスの有害なコストは、直接的なコストにとどまらない可能性があると指摘しています。間接的な経済的コストとしては、人材確保や採用への悪影響、リアルタイムの経済データに基づいて行動できないこと、誤った数値が株価やIRに影響を与えることなどが挙げられます。COVID-19以来、財務計画と分析(FP&A)の役割は、企業が数字をよりよく理解しようとする中で、さらに勢いを増しています。しかし、10年以上にわたる努力にもかかわらず、FP&A担当者の日常生活は、エラーの特定と修正、レポートの更新、データの収集など、戦略を阻害する手作業に終始しているのが現状です。これは本質的に、企業と米国経済全体から何十億ドルもの経済的機会を奪っているのです。
DataRailsの共同設立者兼CEOであるDidi Gurfinkelは、こう付け加えます。「私たちは、FP&A担当者がビジネスに戦略的な方向性を与えたいと考えていることを毎日のように耳にします。FP&A担当者は、シナリオ・プランニングやリアルタイム・データへの対応といった施策を通じて経済成長を実現するユニークな立場にあるにもかかわらず、その大半の時間を手作業でステープルレポートの作成に費やしているのです。このサイクルでは、FP&Aの洞察力、スキル、トップラインの経済成長を実現する能力を活かせず、巨額の資金がテーブルの上に放置されることになります。」
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